子どもの受け口の原因は?放置するリスクや予防法について紹介
子どものあごが前に突き出ている、下の歯が目立っている場合、受け口(反対咬合・下顎前突)かもしれません。
受け口はそのまま放置してしまうと発音や噛み方に影響が出て、心身に悪影響を及ぼす可能性があるため、気になる症状があるときは早めに治療を受ける必要があります。
この記事では、子どもの受け口の原因や放置するリスク、予防方法などについて紹介します。
子どもの受け口を治したい方、子どもの歯並びや噛み合わせに気になる症状がある方は、ぜひご覧ください。
受け口とは
受け口とは、下の前歯が上の前歯よりも前方に突出している歯並びのことで、『反対咬合(はんたいこうごう)』や『下顎前突(かがくぜんとつ)』とも呼ばれる不正咬合の一種です。
本来であれば、歯と歯を噛み合わせて「イー」と口を閉じると、下の歯に上の歯が覆い被さるように並びます。しかし受け口は、「イー」と口を閉じたときに下の前歯が上の歯よりも前に出ていて、正常な噛み合わせとは逆に噛んでしまっている状態です。
受け口が発生する頻度は、子どもの歯並びの問題の中で2%ほどと少ないですが、放置してしまうと下あごが突き出て目立つようになってしまいます。
また、見た目に目立ってしまうだけでなく、咀嚼や発音に支障をきたし、思春期や大人になってからコンプレックスに感じる方も少なくありません。
そのため、下あごの骨が著しく成長する時期を迎える前に治療を受けておくことが大切です。
子どもの受け口の原因
受け口は、上の前歯が内側に傾いている、もしくは上あごが小さく下あごが大きいために下顎が前方に出てしまうことで起こります。
原因は大きく分けて『遺伝』と『鼻の形などによる影響』『癖によるもの』の3つがあり、それに沿った治療を受けることが大切です。
ここでは、子どもの受け口の原因について詳しく解説します。
遺伝
歯並びは遺伝だけで決まるわけではありませんが、受け口は遺伝によって起こる可能性が高い不正咬合だといわれています。
特に日本人の頭は、幅が広く奥行きが浅い形をしている方が多く、受け口になりやすい骨格であることからも注意が必要です。
遺伝による受け口は、自然治癒することがほとんどありません。
また、受け口の傾向がみられる時期も人によって異なるため、両親や祖父母、親戚など家族に受け口の方がいて骨格が原因で受け口になる可能性があると考えられる場合は、できるだけ早めに矯正歯科を受診することをおすすめします。
鼻の形などによる影響
鼻の形の問題によって起こるアデノイド肥大(咽頭扁桃)やその他の鼻の形の異常による鼻炎、副鼻腔炎は、鼻水や鼻詰まりによって口呼吸を誘発しやすく、受け口になりやすいといわれています。
骨格が成長途中にある子どもが口呼吸をしていると、舌の位置が正常な状態よりも下がって下あごを押し出してしまうため、受け口につながってしまうことがあるのです。
ただし、小学生頃になると免疫機能の発達によって喉の奥にある扁桃が小さくなってくるため、永久歯に生え変わる頃には自然と改善する可能性もあるでしょう。
アデノイド肥大などと同様に、風邪や鼻炎、花粉症などによる鼻詰まりも、鼻呼吸ができずに口呼吸になり、結果的に受け口になる可能性があります。
癖によるもの
指しゃぶりや舌で歯を押し出す癖、噛む癖、頬杖など、歯に圧力がかかるような癖は、受け口の原因になることがあります。
特に指しゃぶりやおしゃぶりは口に入れた指を前歯で噛んでしまうため、指をしゃぶっている間中ずっと歯を指で押し続けていることになります。
長期間、上の前歯に力が加えられていると、徐々に下の前歯が前に出てきて受け口になってしまうのです。
指しゃぶりはすぐにやめさせようと思っても、なかなか難しいかもしれませんが、何年も続けていると受け口になる可能性が高まってしまうため、早めに歯科医院へ相談しましょう。
子どもの受け口を放置するリスク
受け口を治療せずにそのまま放置してしまうと、しゃべりにくくなったりあごに負担がかかったりなど、子どもの心身にさまざまな悪影響を及ぼす恐れがあります。
ここでは、子どもの受け口を放置するリスクについて詳しく解説します。
しゃべりにくくなる
受け口だと『サ行』や『タ行』の発音が難しくなるなど、しゃべりにくくなることがあります。
これは、上下に前歯とあごの位置が本来と逆になっていることで舌の動きが制限され、発音障害が生じるためです。
発音が不明瞭になり、それがコンプレックスになってしまうと、しゃべること自体に抵抗感を覚え、友達との会話や学校の授業で発言することに支障が出てしまう可能性があります。
さらに性格にまで影響を及ぼして社会生活にまで悪影響を与えてしまうこともあるため、早めに治しておくことをおすすめします。
あごに負担がかかる
受け口を放置していると、人と会話するときや食事のときなどにあごの関節に負担がかかってしまいます。
すると、あごの痛みや口の開けにくさ、口を開けたときに音がするなどの症状が現れ始め、顎関節症になってしまうこともあるでしょう。
また、受け口で噛み合わせが悪いことによってあごの関節に負担がかかっていると、顎関節が歪んであご自体も曲がってしまい、顔が歪む『顎変形症(がくへんけいしょう)』につながることもあるため注意が必要です。
徐々に受け口が目立つようになってくる
下あごの骨は、身長が大きく伸びる思春期成長期に手足の骨などと一緒に大きくなる骨です。そのため、小学校高学年から中学校くらいの時期に著しく成長し、目立つようになります。
ということは、幼少期にすでに受け口の症状がみられる場合は、成長するにつれて症状がいっそう強くなっていくと考えられるということです。
すべての方がそうではありませんが、受け口が目立つことで自分の顔にコンプレックスを抱えてしまう場合も多く、鏡を見ることに精神的なストレスを感じる方もいるでしょう。
基本的に、受け口は放置していても自然と治ることはありません。早いうちに治療を開始しておけば、外科手術を行わずに改善できる可能性もあるため、その点も踏まえて治療時期を考える必要があります。
虫歯や歯周病のリスク
受け口に加えて歯並びがガタガタしている場合などは、歯磨きの際に歯ブラシがしっかりと届きません。
毎日歯を磨いていても汚れや食べかすの磨き残しが多くなり、虫歯や歯周病のリスクが高まる可能性があります。
また、受け口によって唇が閉じにくいと、口の中が乾燥しやすい状態になります。それに伴って菌も繁殖しやすくなってしまうため、虫歯や歯周病のリスクが高まってしまうでしょう。
子どもの受け口を予防するには?
乳歯の時期に受け口であった場合に、永久歯に生え変わったときに受け口が自然治癒する確率は10%に満たないといわれています。
受け口は機能面に問題が出ることも多く、子どもが成長するにつれてコンプレックスになりやすいため、予防できるのであればしておきたいという親御さんも多いのではないでしょうか。
ここでは、子どもの受け口の予防方法を紹介します。
哺乳瓶の形に気を付ける
あごや口周りの筋肉が弱いと、受け口に状態になってしまうこともあるため、赤ちゃんのうちから哺乳瓶の形に気を付けて筋肉を発達させておくことが大切です。
哺乳瓶を選ぶ際は、哺乳瓶の先端を下に向けてもミルクが垂れてこないような、できるだけ『吸う力を必要とする』タイプを選ぶようにしましょう。
例えば、『NUK(ヌーク)』の哺乳瓶などがこれにあたります。
可能であれば、哺乳瓶よりも吸う力が必要な母乳で育児を行うと、より吸う力が強まってあごや口周りの筋肉が鍛えられます。
癖を直すトレーニングをする
上記でも紹介した通り、指しゃぶりや舌で前歯を押す癖、頬杖などの癖は受け口の原因になることがあるため、3〜4歳くらいまでにやめられるよう、早めから癖を治すトレーニングをしておくのがおすすめです。
子どもが指しゃぶりなどをしているときに指摘するのもひとつの方法ですが、それだけではなかなか直すことが難しい場合もあります。
そのような場合は、歯科医院に相談して『MFT(口腔筋機能療法)』や『マウスピース矯正』、『床矯正』、『急速拡大装置』などを行うとよいでしょう。
口呼吸を直す
口呼吸を治すために、おしゃぶりを使用するのもひとつの方法です。
寝ているときなどに口がポカンと開いていると、下の前歯が上の前歯よりも突出する可能性があります。
それに加えてアレルギー物質が口から入ってアレルギーを起こしやすくなったり、細菌やウイルスが体内に入って風邪やインフルエンザなどに感染しやすくなることも。
また、唇や舌、頬など口周りの筋肉が正常に発達せず、歯並びが悪くなってしまう恐れもあるため、口呼吸には十分注意が必要です。
ただし、おしゃぶりは受け口の原因になることもあるため、使用したとしても2〜3歳の間にやめるようにしましょう。
子どもの受け口は早期治療がおすすめ!
子どもの受け口は、なるべく小さいうちに治療を開始するのがおすすめです。成長してから治すよりも、骨格や歯並びをきれいに治せる可能性があります。
治療をせずに放置していても、自然にあごが正常になることはあまり期待できません。
むしろ、徐々にあごがしゃくれて外科手術などの大掛かりな治療が必要になってしまうため、受け口が気になる場合は4歳頃までに一度受診ししておくことをおすすめします。
ここでは、子どもの受け口を早期治療すべき理由について詳しく紹介します。
あごの成長を矯正に活用できる
子どもの受け口治療の開始に適しているのは、乳歯から永久歯に生え変わる6〜8歳頃だといわれています。
これは、歯が生え変わるタイミングであれば、骨格を調整しやすく、あごの成長をうまく治療に活用して無理なく矯正することができるからです。
もしくは、さらに早い3歳〜小学校低学年頃の骨格の歪みが大きくなる前の時期も治療を始めるタイミングとしておすすめですが、適切な治療開始時期については歯科医師とよく相談する必要があります。
子どもの受け口治療は、マウスピースなどの装置を使用して行うことが多く、子どもだけでなく家族の協力も必要になるため、忙しい中で治療を行うのは大変かもしれません。
しかし、思春期になって身体が大きく成長するときまでに受け口を改善しておかないと、下あごが成長しすぎて治療の負担が大きくなってしまう可能性もあるため、上下のあごの成長をコントロールしやすい低年齢の時期に治療を開始しておくことをおすすめします。
早いうちに癖を直せる
受け口の原因のひとつに、指しゃぶりや前歯を押す癖、頬杖などの癖による歯並びやあごの成長バランスの崩れがあります。
この癖を早いうちから直しておくことも、子どもの受け口を改善する大きなポイントです。
早めに治療を開始して指しゃぶりなどの癖を直しておけば、癖が直った状態であごの成長や生え変わりの時期を迎えられる可能性が高まり、大掛かりな治療を行わなくても受け口を治せる可能性も高まります。
大人になってからも受け口の治療は可能ですが、骨の成長が止まって固定されている状態であるため、癖が改善されていない場合は再び受け口になってしまう可能性もあります。
そのため、受け口の原因となる癖は、早くから直しておくことが大切だといわれているのです。
抜歯を避けられる
受け口が重度になってしまうと、歯を前か奥に動かすためのスペースを確保しなければならず、抜歯が必要になることも少なくありません。
しかし早いうちから治療を開始しておくことで、抜歯をせずに受け口を改善できる可能性が高まるでしょう。
子どもの矯正治療には、乳歯から永久歯に生え変わる時期にあごの大きさを整える『第1期治療』と、永久歯が生え変わったあとに歯の位置を並べ替える『第2期治療』があります。
第1期治療では、あごの大きさを広げて歯がきれいに並ぶためのスペースを作るため、将来的に抜歯を伴う矯正治療を避けることにつながります。
子どもの受け口治療の費用相場
子どもの受け口治療にかかる費用相場は、口の中の状態や使用する装置の種類、治療期間などによって異なります。
具体的には、第1期治療で約11〜55万円、第2期治療で約22〜110万円が相場です。
子どもの矯正治療は基本的に自由診療となるため、クリニックによっても費用が変わってくる点に注意が必要です。
また、装着時間や使用方法を守らないと思ったような効果が得られず、結果的に治療費がかさんでしまう可能性もあります。
早くから治療を受ける際は、子どもとよく話し合って家族で協力しながら治療を行えば、治療費を最小限に抑えられる可能性が高まるでしょう。
まとめ
子どもの受け口は、遺伝や鼻の形による影響、癖によるものなどさまざまな原因で起こります。
発音が不明瞭になってしゃべりにくくなったり、あごに負担がかかったり、受け口が徐々に目立ってきて見た目がコンプレックスになったりなど、さまざまなリスクがあるため、早めに治療を開始するようにしましょう。
矯正歯科・口腔ケアクリニック知事公館前では、大学病院で約30年間にわたり培った経験を活かした治療と予防をご提供いたします。
お子さまの受け口についても、顎変形症や生まれつきの病気が原因で歯並びが悪くなった患者様の矯正治療に長年携わってきた院長が、わかりやすく丁寧に説明し、納得いただいたうえで丁寧に治療を進めていきます。
子どもの受け口で悩まれている方は、ぜひ一度矯正歯科・口腔ケアクリニック知事公館前までお気軽にご相談ください。
記事監修者

矯正歯科・口腔ケアクリニック知事公館前
院長 三木 善樹
経歴
- 1993年 徳島大学歯学部卒業
- 1997年 徳島大学大学院歯学研究科修了
- 1997年 徳島大学歯学部矯正学講座助手
- 2004年 札幌医科大学医学部口腔外科学講座助手
- 2007年 札幌医科大学医学部口腔外科学講座助教
- 2022年 矯正歯科・口腔ケアクリニック知事公館前院長
所属学会
- 日本矯正歯科学会・認定医
- 日本口腔外科学会
- 日本顎変形症学会
- 日本口蓋裂学会
- 日本顎関節学会
- 北海道矯正歯科学会
- 日本骨代謝学会
- 歯科臨床研修医指導医
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