歯列矯正が早く終わる人の特徴は?歯が動きにくくなる原因や早く終わらせる方法も紹介
歯並びや咬み合わせを整える歯列矯正は、多くの方が行っている歯科治療です。
口元への意識の高まりから、歯列矯正を検討している方も増えていますが、治療にかかる期間が長期にわたるため、なるべく早く終わらせる方法はないかと思っている方もいるのではないでしょうか。
歯列矯正の治療期間は、患者さん一人ひとりの口の中の状態や治療方法によって大きく異なります。
また、同じような症例であっても、人によっては何か特別なことをしなくても治療が早く終わる可能性もあります。
では、歯列矯正が早く終わるのはどのような人なのでしょうか。
この記事では、歯列矯正が早く終わる人の特徴や治療にかかる平均的な期間、歯が動きにくくなる原因などを紹介します。
歯列矯正の治療を1日でも早く終わらせたい方だけでなく、これから歯列矯正を受ける方、検討している方はぜひご覧ください。
歯列矯正が早く終わる人の特徴
歯列矯正が早く終わるのは、『歯が動きやすい』人です。歯が動きやすい人には、以下のような特徴があります。
- 自己管理ができる
- 歯根や歯の状態が良い
- 不正咬合が軽度
- 噛み合わせの問題が少ない
- 骨が成長途中の子ども
- 舌癖がない
- 歯科医師の指示を守れる
ここでは、歯列矯正が早く終わる人の特徴について詳しく解説します。当てはまる項目がいくつあるか確認してみてください。
自己管理ができる
自己管理ができる人は、矯正治療が早く終わる可能性が高まります。
歯列矯正の治療期間を短くするには、患者さん自身が適切なブラッシングや矯正装置の装着・交換などのための通院を積極的に行い、自己管理を徹底することが大切です。
特に自分で取り外しが可能なマウスピース矯正の場合は、1日20時間以上というマウスピースの装着時間を守ったり、食事の際にマウスピースを取り外したりなどの決まりを守る必要があります。
これらの決まりをきちんと守れる自己管理能力の高い人は、治療の効果が高まって理想の歯並びに早く近づけるでしょう。
歯根や歯の状態が良い
歯根や歯の状態が良い人は、歯列矯正が早く終わる傾向にあります。
上記でも紹介した通り、歯列矯正が早く終わるためには、歯が動きやすいことが重要です。一般的に、歯根が短い場合や歯が小さい場合の方が早く歯が動くイメージがありますが、実は大きく歯根の長い歯の方が矯正力が適切に伝わりやすいため、歯の移動スピードが早くなります。
また、歯の骨密度が高いことも重要です。
歯を支える骨の密度や強度が高いと、矯正力が効果的に伝わって歯がスムーズに動く傾向にあります。反対に、歯の骨密度が低いと矯正力が歯にうまく伝わらず、歯が動きにくくなる可能性があるでしょう。
不正咬合が軽度
歯が1本だけ歯列からはみ出している場合や歯列の一部分だけがガタガタしている場合など、不正咬合の程度が軽度の場合も歯列矯正の治療期間が短く済む傾向にあります。
症例によっては適応しませんが、不正咬合が軽度の場合は部分矯正を選択することで、歯列全体を整えるよりも早く治療を終えられる可能性もあるでしょう。
ただし、歯並びがそれほど悪くないように見えても、噛み合わせに問題がある可能性もゼロではないため、安易に部分矯正を選択せずに一度矯正歯科の専門医に診てもらうことをおすすめします。
噛み合わせの問題が少ない
噛み合わせの問題が少ない人は、噛み合わせに問題がある人と比べて、歯列矯正を早期に終えられることが多いです。
なぜなら、噛み合わせが正常であれば歯並びを整える治療だけで済むことが多く、前歯のみを整える部分矯正が選択できるなど、矯正範囲が狭いケースも多いからです。
前歯だけの部分矯正で済む場合は、数か月から1年ほどの期間で治療を終えられる可能性があります。
骨が成長途中の子ども
あごや歯の骨が成長途中の子どもは、少ない矯正力で歯をスムーズに動かせるため、矯正治療の効果を得やすいのが特徴です。
子どもの歯列矯正では、あごの横幅を広げて永久歯が生えるスペースを確保するなど、あごのやわらかさを利用した治療を行います。
幼いうちから歯並びが乱れる根本的な原因を解消しておくことで、将来的に抜歯を伴う本格的な矯正治療を避けられる可能性もあるため、早めに矯正歯科の専門医に相談することが大切です。
舌癖がない
不正咬合の原因となる『舌癖』がない人は、歯に余計な負担がかからず矯正力に影響が出ることもないため、矯正治療がスムーズに進む可能性が高いです。
舌癖とは、日常生活の中で無意識に行ってしまう舌の癖のことです。例えば、舌を歯に押しつけたり舌を歯の間から出したり、舌を正しい位置に置いていなかったりするような動きを指します。
舌癖があると、正しい位置に歯を動かそうとする矯正力を邪魔してしまい、なかなか治療が進みません。
舌癖は無意識の状態で行われることが多く、注意していたとしても集中したときなどに癖が出てしまうため、直すには口腔筋機能療法(MFT)という専門のトレーニングを行う必要があります。
歯科医師の指示を守れる
歯列矯正が早く終わる人は、歯科医師の指示をしっかりと守っています。
歯列矯正は装置の使用方法や装着時間、食べてはいけないものなどに注意するだけでなく、装置に自分で矯正用のゴムをかけるなどの指示を守る必要があります。
歯科医師から何らかの指示があったにもかかわらず、それを実践しなかった場合は、歯がスムーズに動かず、思う通りに治療が進まなくなってしまうでしょう。
歯列矯正の平均的な期間
歯列矯正の平均的な治療期間は、全体矯正で1〜3年、部分矯正で2か月〜1年半ほどです。
ただし、治療期間は年齢や矯正装置の種類、治療の範囲、歯や口の中の状態などによって大きく異なるため、あくまでも目安として知っておきましょう。
また、歯列矯正で歯を動かした後は、動かした歯が元の位置へ戻ろうとする『後戻り』を防ぐ保定期間を設ける必要があります。
保定期間の平均は1〜3年ほどです。長ければ長いほど良いとされていますが、矯正歯科医によって考え方が異なるため、担当の歯科医師の指示をきちんと守る必要があります。
この保定期間も歯列矯正の期間に含めて考えると、5〜6年ほど治療にかかる可能性もあることを理解しておきましょう。
歯列矯正で歯が動きにくくなる原因
歯が動きやすい人がいる一方で、歯が動きにくく治療が長引いてしまう人がいるのも事実です。以下のような場合は、歯が動きにくい可能性があります。
- 悪習癖がある
- 噛む力が弱い
- 途中で虫歯や歯周病になってしまう
- アンキローシス
ここでは、歯列矯正で歯が動きにくくなる原因について詳しく解説します。
悪習癖がある
歯が動きやすい人の特徴でも紹介した舌癖は悪習癖とも呼ばれ、歯列矯正で歯が動きにくくなる原因のひとつです。
例えば、舌で前歯を押し出したり唇を噛んだり頬杖をついたりなどの癖は、矯正装置によって歯が動くのと反対方向に力が働いて治療の効果が半減してしまうだけでなく、矯正治療後の後戻りを誘発しやすい傾向にあります。
特に空隙歯列(すきっ歯)や開咬(奥歯は噛んでいるのに前歯が噛み合っていない状態)、上顎前突(出っ歯)の場合は、悪習癖が原因となっていることが多いため注意が必要です。
噛む力が強い
一般的に、噛む力が強いと歯の動く速度が遅く、噛む力が弱いと歯の移動速度が早いといわれています。
なぜなら、強い力で上下の歯ががっちりと噛むことで、歯の移動が妨げられてしまうからです。
緊張しているときや集中しているとき、就寝中などに歯を食いしばる癖がある場合は、矯正力が正しく働かない可能性があります。特に過蓋咬合の場合は、噛み合わせが深く矯正力を弱めてしまうケースが多いです。
とはいえ、噛む力が強い方が矯正後の後戻りが起こりにくいといわれているため、噛む力が弱い方が良いのかというと一概には言い切れません。
途中で虫歯や歯周病になってしまう
矯正治療の途中で虫歯や歯周病になってしまうと、歯の形や口の中の状態が変わって装置が合わなくなってしまうため、歯が動きにくくなることがあります。
ブラケットとワイヤーを用いたワイヤー矯正では、矯正治療中に虫歯ができてしまうと、いったん治療を中断して先に虫歯を治さなければいけません。
そのような場合は、予定よりも歯列矯正の終了までにかかる期間が長引いてしまいます。
また、歯周病は歯を支える歯槽骨が弱めてしまいます。すると歯の動きが悪くなって矯正治療が長引いてしまうため、事前にきちんと治しておくことが大切です。
アンキローシス
アンキローシスという状態になると、歯がスムーズに動かず矯正治療が長引いてしまう可能性があります。
アンキローシス(骨性癒着)とは、本来歯と骨の間に存在しているはずの歯根膜(歯と歯槽骨の間にあるやわらかい組織)がなく、歯の根っこと歯を支える歯槽骨が直接癒着している状態のことです。
歯根膜は歯と骨をつないだり歯や歯の周辺の組織に栄養を運んだりする役割を担っているため、幼少期に乳歯を強くぶつけるなどして歯根膜が失われてしまうと、歯と骨がくっついて動かなくなる可能性があります。
歯列矯正を早く終わらせる方法
歯列矯正は歯を少しずつ動かしていくため、長期間かかることがほとんどです。
しかしそのような状況の中でもできるだけ早く終わらせたい場合は、これから紹介する方法を実践してみることをおすすめします。
ここでは、歯列矯正を早く終わらせる方法を5つ紹介します。
適切な装置を選ぶ
できるだけ早く歯列矯正を終わらせるには、適切な矯正装置を選ぶことが重要です。
例えば、ワイヤー矯正が適しているにもかかわらず、目立つ装置は嫌だからとマウスピース矯正を選んでしまうと、治療期間が長引いたり思ったような結果が得られなかったりする可能性があります。
場合によっては再矯正が必要となる可能性もあるため、担当の歯科医師とよく相談して適切な装置を選ぶようにしましょう。
歯科医師の指示を守る
歯列矯正を早く終わらせるためには、歯科医師の指示をきちんと守ることが非常に重要です。
矯正治療中は歯磨きなどの口腔ケアや控えるべき食べ物、矯正装置の装着時間、器具を調整するための通院など、歯科医師からたくさんの指示があります。
すべてを守ることは難しいように思えるかもしれませんが、歯科医師からの指示は歯をスムーズに動かすために必要なことです。
虫歯や歯周病に注意
歯列矯正を早く終わらせるには、虫歯や歯周病にかからないよう注意することも大切です。
上述の通り、矯正治療中に虫歯や歯周病にかかってしまうと、治療をいったん中断して虫歯や歯周病を治さなければいけません。
場合によっては歯列矯正の治療計画をはじめから見直さなければならなくなってしまうため、治療期間をダラダラと伸ばさないためにも、毎日の歯磨きを丁寧に行いましょう。
正しいブラッシング方法がわからない場合や、ケア方法が合っているか不安な場合は、通院している歯科医院へ相談すると、ブラッシング指導を行ってくれます。
悪習癖を直す
悪習癖がある場合は、歯列矯正と同時に悪習癖も改善すると、矯正治療がスムーズに進みます。
歯に余計な力が加わって歯の移動が邪魔されないよう、舌や口を正しく使うトレーニングを行い、悪習癖を直していきましょう。
矯正専門歯科医院では、悪習癖を改善するために口腔筋機能療法(MFT)を行う場合があります。もし悪習癖が原因で不正咬合が生じている場合は、口腔筋機能療法をきちんと行っている歯科医院を選ぶことが大切です。
歯科医院にしっかり通う
矯正治療中は、定期的に歯科医院でメンテナンスを受ける必要があります。
メンテナンスをきちんと行わないと、口の中が衛生的に保たれているか確認できないだけでなく、計画通りに歯が動いていないことにも気づけません。
治療計画から大幅にズレてしまうと、追加料金を支払って計画を立て直さなければならないため、金銭面での負担も大きくなってしまいます。
そのような事態を避けるためにも、きちんと医師の指示通りに通院し、メンテナンスを受けるようにしましょう。
まとめ
歯列矯正が早く終わる人は、自己管理ができて医師の指示を守れている人です。
また、もともとの歯根や歯の状態にもよりますが、年齢が若い人や子どもの方が歯が動きやすいといわれています。
不正咬合が軽度の場合や噛み合わせの問題が少ない場合、舌癖がない場合も歯列矯正を早く終えられる可能性が高いため、今回紹介した歯列矯正を早く終わらせる方法を参考に、スムーズに治療が進むように努めましょう。
矯正歯科・口腔ケア クリニック知事公館前では、長年大学病院で難症例と向き合ってきた院長が、地域の皆様一人ひとりに適切な治療と予防をご提供します。
なにかと制限が多く大変な歯列矯正をできるだけ早く終えられるよう、しっかりとアドバイスさせていただきますので、矯正治療を検討している方は、ぜひ一度ご相談にいらしてください。
記事監修者

矯正歯科・口腔ケアクリニック知事公館前
院長 三木 善樹
経歴
- 1993年 徳島大学歯学部卒業
- 1997年 徳島大学大学院歯学研究科修了
- 1997年 徳島大学歯学部矯正学講座助手
- 2004年 札幌医科大学医学部口腔外科学講座助手
- 2007年 札幌医科大学医学部口腔外科学講座助教
- 2022年 矯正歯科・口腔ケアクリニック知事公館前院長
所属学会
- 日本矯正歯科学会・認定医
- 日本口腔外科学会
- 日本顎変形症学会
- 日本口蓋裂学会
- 日本顎関節学会
- 北海道矯正歯科学会
- 日本骨代謝学会
- 歯科臨床研修医指導医
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