出っ歯は子供のうちに治す!原因や放置のリスク・保険適用についても紹介
出っ歯は、正式名称を上顎前突といいます。
子どもが出っ歯の場合、見た目の問題だけでなく、噛み合わせによる健康への影響も懸念されるため、早期に対策を考えるご家庭が多いです。
この記事では、子どもの出っ歯の原因やリスク、治療を開始する時期や治療方法、保険適用についてなどを紹介します。
歯列矯正は、早い段階で開始するほど効果が期待できるため、早期の検討・治療開始をおすすめします。
子どもの出っ歯の原因
子どもの出っ歯(上顎前突)の原因を紹介します。
日常生活で気をつけるためのヒントとして、参考にしてください。
前歯や顎の成長に問題がある
子どもの出っ歯のほとんどは、前歯や顎の成長、特に下顎の成長が十分でないことが主な原因です。
もともと日本人やアジア系の人は、顎の成長が弱い人が多い特徴があります。
また、舌で潰せるような柔らかいものや飲み込みやすいものばかりを食べていると、噛む回数が少なくなるため顎の発達が鈍くなります。
遺伝
出っ歯は遺伝しやすいといわれているため、親が出っ歯であれば、子どもが受け継ぐ可能性も高くなります。
遺伝では、遺伝が理由で歯並びが似るのではなく、顎や歯の形や大きさ・向きが遺伝することで、結果的に歯並びが似ます。
また、歯並びが似る要因には遺伝と同じくらい生活習慣が関係していますが、一緒に暮らしていれば生活習慣も似るため、遺伝要因も相まって親に似ることは避けられないでしょう。
指しゃぶりや舌の癖
指しゃぶりや舌の癖など、本人が持つ癖に影響を受けて出っ歯になる場合もあります。
指しゃぶりは生後2〜4か月頃から始まるのが普通ですが、指を吸う力が上の前歯を押し出すために出っ歯になりやすいと考えられています。
3歳過ぎても長時間行う場合は注意が必要です。5歳までには時間をかけてでも無理なくやめられるよう、3歳辺りの早い頃から働きかけるのがおすすめです。
他にも、物を飲み込むときや話すとき・口を閉じているときなど無意識に舌で前歯を押す癖があると、歯が少しずつ前に出てきます。
親でも見た目では見つけにくいため、年齢が高い子どもの場合は通常の舌の位置を一緒に確認してみるとよいでしょう。
口呼吸
口呼吸をしている場合も出っ歯になりやすいです。
口呼吸になる原因には、アデノイド肥大や鼻炎などの鼻が詰まるような疾患や、口周りの筋力不足などがあります。
口周りの筋力不足の原因は、柔らかい食べ物ばかり食べている、口周りを使う遊び(にらめっこ・風船など)の不足などです。
また、舌は通常上顎についていますが、口呼吸が習慣化すると常に口が開いている状態になり、舌が常に下にある『低位舌』になります。
上顎は舌が上顎についていることで成長しますが、低位舌になると上顎が成長しないため、歯が並ぶスペースが不足し、前歯が出てしまいます。
逆に、出っ歯になると口が閉じづらくなるために口呼吸になる場合もあり、どちらかが悪化するともう片方も悪化して悪循環になるという関係性があるため、注意が必要です。
子どもの出っ歯のリスク
子どもが出っ歯になったり、出っ歯を放置することで生じるリスクについて紹介します。
虫歯・歯周病
子どもの出っ歯は虫歯や歯周病のきっかけになるため気をつけましょう。
出っ歯になると歯並びに段差が生まれるため、歯が磨きにくくなって汚れが溜まるようになります。
また、出っ歯は口が閉じづらくなることで口呼吸になりやすいため、口腔内が乾燥気味になります。
唾液には自浄作用があり普段は細菌の増殖を抑えていますが、口腔内が乾燥するとその作用が得られにくいです。
歯の磨きにくさと細菌の増えやすさは、虫歯や歯周病のリスクを高めます。
顎関節症
出っ歯に限らず噛み合わせの悪さは顎関節症を引き起こす傾向があります。
出っ歯のように前歯が噛み合わない場合、奥歯、ひいては顎への負担が大きくなります。
顎関節症を発症するのは、日常生活の中で顎への負担が積み重なることが原因です。
口が開けづらくなったり咀嚼時に痛みを感じるなど、生活に支障をきたすうえに再発もしやすいため、予防した方がいい疾患です。
前歯の損傷
出っ歯は前方に向かって歯が飛び出しているため、転んだりぶつかったりした場合に欠けたり折れたりするリスクがあります。
子どもは身体のわりに頭が大きいためバランスを保ちにくく、転ぶ・ぶつかるなどは日常茶飯事です。
乳歯をなくせば永久歯の歯並びにも影響し、ましてや永久歯を失くしてしまうことにもなりかねないため、治療が推奨されます。
発音・滑舌
出っ歯は前歯が噛み合わないため空気が抜けやすく、発音が不明瞭・話しづらいなどの不便さを感じることがあります。
特に、「さ行」「た行」「な行」「ら行」が上手く発音できず音も籠りやすいため、何度も聞き返されたり伝わらなかったりすると、イヤな気持ちになる場面も増えるでしょう。
コミュニケーションに支障をきたすことにつながるうえに、下の動かし方にも悪い癖がつく可能性があります。
コンプレックス
出っ歯はその見た目から、コンプレックスになることが多くあります。
歯が気になって思うように笑えない・人前で話したくない・口を隠すのが癖になるなど、言動が消極的になる可能性があります。
特に思春期の難しい年頃になると、悩み過ぎてしまう可能性があるため注意が必要です。
いつから治療する?子どもの出っ歯の治療開始
子どもは未熟な身体で成長の過程にいるため、大人と違っていつでも治療を開始していいわけではありません。
子どもの出っ歯の治療開始のタイミングを紹介します。
治療開始の目安は6歳以上
子どもの出っ歯の治療開始は6歳以上が目安です。
未就学児の出っ歯は治療の対象にならないケースがほとんどです。
出っ歯の原因の1つは下顎の成長不足ですが、身長が伸びる小学生以降になると下顎が著しい成長を見せます。
その時期に合わせて、出っ歯である上顎の治療を行うと効果が出やすいと考えられています。
多少前歯が出た程度では急いで治療しなくても、その後の成長に合わせて歯並びが整ってくる過程を確認してからでも遅くありません。
とはいえ直接診てみないとできない判断もあるため、少しでも気になる部分がある場合は歯科医院の受診がおすすめです。
6歳未満で治療が必要になる場合
以下のように生活に大きな支障がある場合は、6歳未満でも矯正装置での治療が必要になることがあります。
- 下顎の後退が著しい
- ものを前歯でうまく噛み切れない
- 口が閉まらず食べこぼす
- 言葉が上手く発せない
また、出っ歯の子どもは他の歯並びの症状を併発していることがあります。
叢生(歯が重なり合って生える状態)や過蓋咬合(上の前歯が下の前歯を大きく覆う状態)などが併発している場合は、早期治療が必要です。
子どもの出っ歯の治療方法
子どもの歯列矯正は、乳歯から永久歯に生え変わる時期があるため、1期治療と2期治療に分けられます。
また、1期治療と2期治療は、両方行わなければいけないというものではありません。
受け方としては以下があります。
- 1期治療で改善が見られればそこで終了
- 両方が必要なケース
- 2期治療のみ
- 1期治療で改善できなかった場合
- 1期治療を受ける時期を逃した場合
料金体系もトータル制や処置料など、歯科医院によって支払い方がそれぞれ違うため確認しましょう。
子どもの出っ歯の治療方法について紹介します。
1期 │ 6~12歳前後の成長期
1期治療は永久歯に生え変わる6〜12歳の成長期に行われます。
1期治療の目的は、歯をきれいに並べるための必要なスペースの確保です。
以下は、1期治療で行われる内容の一例です。
急速拡大装置
急速拡大装置は、短期間で顎の幅を広げるための装置です。
中央部分のネジを回すと装置の幅が広がって、顎を拡大します。毎日ネジを回すため負担はかかりますが、比較的短期間での効果が見込めます。
出っ歯の際は上顎に装着して拡大し、歯を動かすスペースを確保した上で、前歯を移動し後ろに下げます。
マイオブレース
マウスピース型の矯正装置で、歯並びを整えるのではなく歯並びを悪化させる原因を改善する目的で装着します。
出っ歯の原因である口呼吸や指しゃぶりなどの悪習癖の改善が期待でき、口周りの筋肉のバランスが整えられれば、出っ歯の改善も見込めます。
1期の治療費
1期治療にかかる費用相場はおおよそ30〜50万円程度と言われています。
自由診療のため、費用設定については歯科医院によって違いがあります。検討の際は前もって歯科医院に確認しておきましょう。
2期 │ 永久歯が生えそろってから
出っ歯の2期治療は、永久歯が生えそろう13歳前後から行います。
治療内容としては大人の歯列矯正と同様に、ワイヤー矯正やマウスピース矯正で治療します。
ワイヤー矯正
基本的には大人のワイヤー矯正と違いはありませんが、装置が目立つ・痛みが強く出やすい・歯磨きがしづらいなど、子どもが装着する点でデメリットとなる部分はあります。
しかしワイヤー矯正は複雑な歯の移動に対応でき、大きな歯の移動も行える、マウスピース矯正より治療期間が短めなど、メリットも多いです。
マウスピース矯正
透明なマウスピースを1日20時間以上装着する治療で、1〜2週間ごとに新しいマウスピースに交換しながら歯を移動します。
装着時間を守る必要があるため、自己管理ないし保護者の管理が必要な矯正です。
1期治療でスペース確保ができていれば、マウスピース着用のみで出っ歯の矯正が見込めます。
2期の治療費
2期治療の費用は、下は30万円から上は100万円程度です。
1期治療とのトータルプランがあるケース、1期治療から受けている場合と2期治療のみ受ける場合で計算方法に違いを持たせているなど、歯科医院によって設定の幅が広いです。
実際に検討する際は、歯科医院に直接確認した方がいいでしょう。
子どもの出っ歯の健康保険適用
子どもの出っ歯の矯正は健康保険が適用できる場合があります。
適用条件や他に費用軽減できる方法などを紹介します。
一般的には自由診療
出っ歯に限らず小児矯正は、一般的には自由診療です。噛み合わせや見た目の改善を目的とする治療は審美治療と呼ばれ、保険適用外とされています。
健康保険が適用されない場合でも、噛み合わせの悪さを原因として健康や機能に問題があると診断された場合、確定申告において医療費控除を利用できます。
治療を受けた際の領収書、カード払いにした場合の明細書などは必要となるため、きちんと保管しておきましょう。
健康保険が適用される場合
出っ歯の矯正治療が、医学的に必要だと認められる場合に、さらに定められた一定の条件を満たすことで、保険適用による治療が受けられる場合があります。
以下は『公益社団法人 日本矯正歯科学会「矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは」』の引用です。
- 「別に厚生労働大臣が定める疾患」に起因した咬合異常に対する矯正歯科治療
- 前歯及び小臼歯の永久歯のうち3歯以上の萌出不全に起因した咬合異常(埋伏歯開窓術を必要とするものに限る。)に対する矯正歯科治療
- 顎変形症(顎離断等の手術を必要とするものに限る)の手術前・後の矯正歯科治療
この条件で保険適用される治療を行える医療機関は、厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているとして地方厚生(支)局長に届け出た保険医療機関のみです。
「術前矯正→骨切り手術→術後矯正」という治療が必要とされる、重度の出っ歯の場合に保険が適用されます。
まとめ
歯並びは遺伝要素があると言っても、親が歯並びがいいからといって必ずしも子供に問題がないとは言い切れません。
そして歯並びを矯正する場合、早く気付いて治療を行う適切な時期に始める・成長期に合わせて効果的にすすめるなどを実現するには、親の努力は必要です。
矯正歯科・口腔ケア クリニック知事公館前は、小児矯正治療から保険適用の外科的矯正治療など、幅広い治療に対応できます。
お子様がストレスなく治療に臨めるよう、さまざまな最新技術で治療を行っております。
成長を考えた治療のためにも、気になる症状がございましたら、早めのご来院をおすすめしております。お気軽にどうぞ。
記事監修者

矯正歯科・口腔ケアクリニック知事公館前
院長 三木 善樹
- 経歴
- 1993年 徳島大学歯学部卒業
- 1997年 徳島大学大学院歯学研究科修了
- 1997年 徳島大学歯学部矯正学講座助手
- 2004年 札幌医科大学医学部口腔外科学講座助手
- 2007年 札幌医科大学医学部口腔外科学講座助教
- 2022年 矯正歯科・口腔ケアクリニック知事公館前院長
- 所属学会
- 日本矯正歯科学会・認定医
- 日本口腔外科学会
- 日本顎変形症学会
- 日本口蓋裂学会
- 日本顎関節学会
- 北海道矯正歯科学会
- 日本骨代謝学会
- 歯科臨床研修医指導医
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