歯列矯正は噛み合わない時期がある?原因や対処法、矯正期間中の注意点を紹介
歯列矯正は歯並びを整えて見た目をきれいにする目的で行われる治療ですが、その過程で噛み合わせが悪い時期が生じます。
最終的に噛み合わせが整うまで、物が上手く噛めなかったり痛みを感じたりするケースもあるため、日常生活で不便を感じる人は少なくありません。
では実際、歯列矯正で噛み合わない時期はどのように過ごしたり、どんな工夫が必要になったりするのでしょうか。
この記事では、歯列矯正で噛み合わない原因や対処法、矯正期間中の注意点などを紹介します。
歯列矯正で噛みにくさや違和感を覚えている人、歯科医院を受診する目安がわからない人は参考にしてください。
歯列矯正中は噛み合わない時期がある?
歯列矯正は最終的に噛み合わせを整えることを目指す治療です。
しかし、その過程で一時的に噛み合わせが悪くなったり、奥歯が噛み合わなかったり、歯が浮いた感じがするなどの違和感を覚える可能性があります。
これは矯正器具によって歯が少しずつ動かされているためで、しっかり歯が動いて矯正治療が順調に進んでいる証拠でもあります。
特に、歯列矯正を開始して1週間くらいまでは乱れた噛み合わせに慣れず、不便に感じるケースもあるでしょう。
生活に支障をきたすほど噛み合わない場合や、痛みや不快感が長引く場合は、他のトラブルの可能性も考えられるため、一度歯科医院に相談することをおすすめします。
歯列矯正で噛み合わなくなるのはなぜ?
歯列矯正で噛み合わせが悪くなる主な原因は、以下の4点です。
- 歯が移動するため
- 奥歯の沈み込みが起こるため
- 一部の歯がうまく移動できない可能性があるため
- 抜歯による影響
それぞれ詳しく説明します。
歯が移動するため
歯列矯正中は歯が移動するため、歯並びが変わって一時的に噛み合わせが悪くなります。
歯列矯正では、ワイヤーやマウスピースを用いて歯を少しずつ動かすため、治療中は歯並びが不安定になり、上下の歯列がうまく噛み合わない場合があります。
最終的には整った歯列を目指していくため、徐々に噛み合わせは安定するでしょう。
奥歯の沈み込みが起こるため
マウスピース矯正では奥歯の沈み込みが生じるケースがあり、うまく噛み合わない原因になります。
マウスピースの厚みや歯ぎしり・食いしばりの影響で奥歯が歯茎に沈み込むと、向かい合う奥歯との間に隙間が生じることで噛み合わせの不具合につながります。
歯ぎしりや食いしばりは自分で気が付かないケースも多いため、反対側の奥歯だけが当たる、前歯同士だけが当たるなどの違和感がある場合は歯科医に相談しましょう。
一部の歯がうまく移動できない可能性があるため
マウスピース矯正の場合は、矯正器具の装着を自身で行う必要があるため、マウスピースにうまくはまっていない一部の歯が思うように動かないことで、噛み合わせが乱れる可能性があります。
特に奥歯が装置から外れた状態が続くと、一部の奥歯がズレて噛み合わない状態になりやすいです。
マウスピースは矯正器具が目立たないことから多くの人に選ばれる矯正治療ですが、着脱の管理を自分で行う必要があります。
一部の歯がうまく移動できない場合は、ワイヤーによる部分矯正で補正することも可能であるため、早めの相談と対策が必要です。
抜歯による影響
歯列矯正は抜歯が必要になるケースがあり、それが原因で噛み合わせが悪くなる場合があります。
歯列矯正をする際、歯が移動するスペースがない場合や将来の歯並びに影響を及ぼすと判断された場合には抜歯する必要があります。
歯は、上下の向かい合う歯がなくなると空いたスペースに伸びる性質があるため、矯正治療が進行して向かいに歯が再び配置されると噛み合わせに問題が生じるのです。
歯列矯正で噛み合わない時期が長引く原因
歯列矯正で噛み合わない時期が長引く主な原因は、以下の4点です。
- 矯正スピードの個人差
- 矯正器具の破損や不適合
- 歯の後戻り
- 元の歯並びが悪い
それぞれ詳しく説明します。
矯正スピードの個人差
矯正のスピードには個人差があるため、それによって治療期間が長引くと噛み合わない時期も長くなります。
顎骨の硬さや歯根の長さは、治療計画と実際の治療状況のあいだにズレを生じさせる可能性があり、同じ治療をしても人によって早く終わる・時間がかかるなどの個人差があります。
そのほか、遺伝的要素が矯正スピードに影響するケースもあり、これらの要因によって上下の歯の矯正速度に差が出ることは少なくありません。
矯正器具の破損や不適合
矯正器具の破損や不具合は、治療の進行に影響を及ぼし噛み合わない期間が長くなる原因です。
ブラケットやマウスピースにトラブルが起こると、予定通りに歯を動かせないため噛み合わせが乱れた状態が長く続きます。
また矯正器具の破損は、適切な使い方ができなくなるのに加え、気付かずに使い続けることで歯列矯正に大きく影響するケースもあります。
交換が必要になることで治療計画が狂う可能性もあるため、トラブルを発見したら早めに歯医者を受診しましょう。
歯の後戻り
歯列矯正では歯の後戻りが起こるため、噛み合わせが安定しづらいです。
特にマウスピース矯正の場合は、歯科医師から指示された装着時間通りにマウスピースを使用しないと、歯が元の位置に戻ろうとする後戻りによって噛み合わせが安定しない期間が長引く可能性があります。
ワイヤー矯正では矯正器具が常に歯に負荷をかけているため、そのあいだは後戻りの心配がありませんが、通院を怠ることで装置の調整が行われないと、治療の進行が滞ります。
歯列矯正で噛み合わない事態を回避するためには、歯列を整える段階と後戻りを防ぐ段階の両方で注意が必要です。
元の歯並びが悪い
元の歯並びが複雑に乱れている場合は矯正期間が長くなるため、噛み合わせが良くなるまでに多くの時間が必要です。
歯同士が重なっている状態(叢生)や上下の前歯が噛み合わない状態(開咬)が重度の場合は歯を大きく動かす必要があり、さらに抜歯を伴う場合はより長い時間がかかります。
重度の不正咬合は矯正の段階で噛み合わない時期が長い傾向がありますが、全身の不調につながるおそれがあるため、最終的に整った歯並びを得るために治療を受けることが大切です。
噛み合わせが悪いことで起こるトラブル
矯正期間中の噛み合わせの違和感は仕方がないことで、治療が進むと解消されるため問題ありません。
しかし、噛み合わせが悪いと以下のトラブルが起こる可能性があるため、生活に支障をきたす場合は歯医者に相談しましょう。
虫歯や歯周病になる
噛み合わせが悪いと、歯の重なりに汚れが溜まりやすく、歯ブラシが届きにくいことで虫歯や歯周病のリスクが高まります。
特に、ワイヤー矯正中はブラケットと歯のあいだに汚れが付きやすく、ブラッシングにもコツが必要です。
歯列矯正中に虫歯や歯周病になると、矯正を中断して治療を行う必要があるため、治療期間が長引いたり、矯正器具の作り直しが必要になったりします。
噛み合わない時期が長くなるだけではなく、通院や金銭的な負担も大きくなるため注意しましょう。
顎に負担がかかる
噛み合わせが悪いと顎に負担がかかり、顎関節症になるケースがあります。
顎関節によって疲労感や痛みが生じることで、口が開けられないほどの症状がみられる場合は、一度歯科医師に相談しましょう。
噛み合わせの乱れのほか、矯正治療で顎に不適切な力がかかっている可能性も懸念されます。
頭痛・肩こりなどの全身症状を引き起こす
噛み合わせが悪い状態が続くと、頭痛や肩こりなどの全身症状を引き起こす場合があります。
歯がうまく噛み合わないと、身体の筋肉がバランスを崩し、骨や神経にまで負担がかかる可能性があります。
その結果、頭痛や肩こりをはじめ、腰痛・めまい・耳鳴り・手足の痺れなどの症状が出現するケースもあるため注意しましょう。
咀嚼機能が低下する
噛み合わせの悪さは、咀嚼機能の低下につながります。
前歯や奥歯が向かいの歯と上手く噛み合わないと、食べ物を小さくする働きが弱くなるため消化不良を引き起こしやすくなります。
胃腸に負担がかかる原因にもなるため、結果的に噛み合わせを安定させるためには歯列矯正を行うことが大切です。
一部の音が発音しにくくなる
不正咬合は、発音のしにくさや一部の音が不明瞭になる原因になります。
例えば上下の前歯のあいだに隙間ができる開咬や下顎前突(受け口・しゃくれ)の場合は、空気が漏れることでサ行・タ行などの発音に困難が生じます。
滑舌が悪いことで悩んでいる場合は、不正咬合が原因である可能性もあるでしょう。
歯列矯正で噛み合わない時期の過ごし方
歯列矯正で噛み合わせが合わない時期は、以下の過ごし方を参考にしてください。
マウスピースの使用時間を守る
マウスピース矯正の場合は、矯正器具の装着時間を守りましょう。
マウスピース矯正では、マウスピースを着け忘れたり自己判断で外している時間が長かったりすると歯の移動がスムーズに行われず、噛み合わない期間が長くなる可能性があります。
マウスピースは圧迫感があり、外したくなるかもしれませんが、指示がない限りは装着時間をしっかり守ることが大切です。
食べやすいものを食べる
噛み合わせが悪い場合は、食べやすい・噛みやすいものを選んで食べましょう。
硬い食べ物は食べにくいだけではなく、ブラケットの破損につながったり咀嚼が十分に行われないことで胃腸に負担をかけたりする可能性があります。
無理に硬い食べ物を食べる必要はないため、お粥や柔らかく煮た麺など、噛みやすく消化にいいものを食べましょう。
こまめに矯正器具の状態をチェックする
矯正器具が外れたり、破損していたりすると噛み合わせに影響を及ぼす可能性があるため、不具合がないかこまめに確認することが大切です。
特に、もともと歯ぎしり・食いしばりがある人や、噛み合わせが悪いことで歯ぎしりや食いしばりをするようになった人の場合、マウスピースが知らぬ間に破損しているケースがあります。
ワイヤー矯正の場合を含め、矯正器具に不具合がある場合は治療に支障が出ないように早めに歯医者を受診しましょう。
歯列矯正で噛み合わない場合の対処法
歯列矯正で噛み合わせが悪い場合は、以下のような対処をしましょう。
痛みがなければ様子をみる
歯列矯正を始めた直後や、治療の段階を進める際に矯正器具を調整した直後は、噛み合わせをはじめとした違和感が生じるケースがほとんどであるため、痛みがなければ一旦様子をみましょう。
歯列矯正は痛みを伴うケースがありますが、正常な痛みであれば長くても1週間ほどで治まるため心配いりません。
生活に支障をきたすほどの噛みにくさや、なかなか治まらない痛みがある場合以外は、数日様子を観察しましょう。
矯正器具の調整を行う
歯列矯正中に、どうしても不快感が我慢できない場合や噛み合わせの違和感が大きい場合は、矯正器具の調整を行いましょう。
段階的に調整するタイミングを早めてもらうことで、不具合が軽減できる可能性があります。
ただし、調整の回数や程度などの判断は歯科医が行います。
違和感が続く場合は歯科医へ相談する
1週間以上経過しても違和感が続く場合は、一度歯科医へ相談しましょう。
矯正器具に不具合が生じていたり、虫歯や歯周病などのトラブルが発生している可能性があります。
噛み合わせに影響を及ぼさないためには、矯正器具の調整や交換などに早めに対応する必要があるため、次の予約日ではなく可能なかぎりすぐ受診するのが推奨されます。
マウスピースの着用時間を減らす(治療終了前)
マウスピース矯正で奥歯が噛み合わない場合は、治療終了間際にマウスピースの装着時間を減らすことで改善できる可能性があります。
マウスピース矯正では、奥歯が噛み合わない臼歯部オープンバイトと呼ばれる状態になるケースがあり、これが原因で「マウスピース矯正は治らない」と感じる人も多いです。
1mm程度の浮きであれば、固定式リテーナーを装着したり後戻りしない程度にマウスピースの使用時間を減らしたりすると、自然に上下の歯が噛み合うことで改善が見込めます。
この調整をセトリングといい、歯並びが完成した状態でのみ可能な方法であるため、一度矯正治療を完了させる必要があります。
ゴムかけで噛み合わせを矯正する
マウスピース矯正後の奥歯の隙間が大きい場合は、ゴムかけによって奥歯を強制的に近づける方法もあります。
痛みを伴うケースがありますが、合理的な方法で成功率も高く、垂直に引っ張るだけではなく倒れた歯を起こすことも可能です。
ただし、長期間の使用で顎関節症になるリスクが高まるため注意しましょう。
まとめ
歯列矯正で噛み合わない原因や、その間の注意点・対処法などを紹介しました。
歯列矯正は歯並びを整える治療ですが、その過程で一時的に噛み合わせに影響が出る可能性があります。
痛みが強い不快感、顎の違和感などがある場合は早めに歯医者を受診しましょう。
矯正歯科・口腔ケアクリニック知事公館前では、目立ちにくいセラミックブラケット・ホワイトワイヤーによる歯列矯正や、外科的処置を伴う歯列矯正など、医学的根拠に基づいた矯正治療を取り扱っております。
患者様と相談のうえ、適切な治療計画と丁寧な説明によって治療を行うため、安心して歯列矯正をお受けいただけます。
重度の不正咬合や顎変形症による歯並びの乱れにも対応しているため、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
記事監修者

矯正歯科・口腔ケアクリニック知事公館前
院長 三木 善樹
- 経歴
- 1993年 徳島大学歯学部卒業
- 1997年 徳島大学大学院歯学研究科修了
- 1997年 徳島大学歯学部矯正学講座助手
- 2004年 札幌医科大学医学部口腔外科学講座助手
- 2007年 札幌医科大学医学部口腔外科学講座助教
- 2022年 矯正歯科・口腔ケアクリニック知事公館前院長
- 所属学会
- 日本矯正歯科学会・認定医
- 日本口腔外科学会
- 日本顎変形症学会
- 日本口蓋裂学会
- 日本顎関節学会
- 北海道矯正歯科学会
- 日本骨代謝学会
- 歯科臨床研修医指導医
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