矯正中は歯磨きを念入りに!効果的な歯磨きの仕方や注意点
歯列矯正中は矯正装置をつけたままであるため歯磨きがしにくくなり、つい面倒だと思ってしまうこともあるでしょう。
しかし、歯磨きをおろそかにして口腔内の環境が悪くなってしまうと、矯正治療の計画に悪影響をおよぼしてしまいかねません。
歯列矯正中でもしっかりときれいに歯磨きをするコツや、歯磨きに便利なアイテムなど知っておくと、口腔内を健康に保ちやすくなります。
この記事では、歯列矯正中の歯磨きの重要性や、装置ごとに効果のある磨き方やアイテムなど、口腔内を健康に保つために役立つ情報を紹介します。
歯列矯正中の歯磨きで注意したいこと
歯列矯正中の歯磨きは、通常より丁寧にすると口腔内のトラブルを防ぎやすくなります。ここでは歯列矯正中の歯磨きで注意したいことについて紹介します。
「食べたら磨く」をスタンダードに
歯列矯正中は口腔内や装置に食べ物のかすが残らないように、食事をするたびに歯磨きをするようにしましょう。
ワイヤーやブラケットなどには食べ物のかすが付着しやすく、装置をつけていない時よりも丁寧に磨かなければ、汚れが残ってしまうことがあります。
汚れが残っていると口腔内の環境が悪化し、むし歯や歯周病などのトラブルにつながりやすくなってしまいます。
歯磨きの回数は食後の3回が理想ですが、間食をした時もできれば磨いておくと安心です。ただ、仕事や学校などのタイムテーブルによっては難しいかもしれません。
そのような場合にはできるだけしっかりうがいをするように心がけてみてください。マウスウォッシュを使うのもおすすめです。
鏡を見ながらすみずみまで磨く
歯科矯正中は鏡を見て、ワイヤーやブラケットについた食べ物のかすや汚れを確認しながら歯を磨きましょう。
矯正装置をつけた状態では、自分の歯だけの時よりも汚れの落ち具合が分かりにくくなります。
鏡を見ながら磨けば残った食べ物のかすや汚れがひと目で分かるため、きれいに磨き上げられるようになるでしょう。
「鏡で見ようとしても歯磨き粉が泡だってよく見えない」という場合は、泡立ちが少ない歯磨き粉に変えてみるとよく見えるようになります。
また、歯科医師に聞けば低発泡性の歯磨き粉やデンタルリンスなどについて教えてくれるため、ぜひ参考にしてみてください。歯科矯正中の効果的な歯磨きの仕方を聞いてみるのもおすすめです。
時間をかけて丁寧に
歯列矯正中にすみずみまできれいに磨き上げるためには、取りにくい汚れもしっかり取れるよう、歯磨きの時間を長くすると効果的です。
マウスピース矯正の場合は取り外しができるため、矯正前と同様の歯磨きでも問題がないことが多いのですが、ワイヤー矯正の場合は注意が必要です。
ワイヤー矯正はブラケットやワイヤー部分に小さなゴミや汚れ、食べ物の細い繊維などが絡みやすく、短い時間でサッと磨いただけではなかなかきれいになりません。
歯ブラシの毛先を装置の細かい部分に当て、完全に汚れを取り除けるよう、丁寧にゆっくり磨きましょう。
大事な予定がある時や出先で歯磨きができない時などは、繊維質の多いメニューを避けておくと安心です。
普段の食生活においては、挟まりにくいからと言って繊維質を避けすぎると便秘や生活習慣病のリスクを上げてしまいます。
調理にひと工夫を取り入れてしっかり摂取しましょう。
例えば、繊維質が多い野菜類は、加熱したり、ミキサーでスムージーにしたりなどの方法がおすすめです。
装置別の磨き方のコツ
歯列矯正で使う装置には、ワイヤーとマウスピースの2種類があり、それぞれの構造に適した歯磨きが重要です。ここでは装置別の磨き方のコツを紹介します。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正の場合、歯磨きは毛先をしっかりと歯や歯ぐきに当てるように意識して、力を入れすぎないように優しく磨きましょう。
鉛筆を持つように歯ブラシを握ると力加減や細かい動きをコントロールしやすくなります。
| ワイヤーの上下 | 毛先が細かい部分まで届くように歯ブラシを傾け(45度程度)、1本ずつ丁寧に磨く |
|---|---|
| ワイヤーと歯の間 | 少量の毛先をワイヤーの下から内側へ通し、細かく動かして磨く |
| ブラケット周辺 | ワイヤーと同様に、歯ブラシを45度程度傾けて1本ずつ磨く |
| 歯と歯ぐきの境目 | 歯ブラシを斜めにして毛先を当て、優しく磨く |
| 前歯の裏側 | 歯ブラシを縦にして下部分を当て、前歯の裏側、歯と歯ぐきの境目を磨く |
| 奥歯 | 歯ブラシの毛先をしっかり届かせて、細かい部分まで磨く |
ワイヤーやブラケット周辺は磨きにくいため、通常の歯磨きよりも細部まで丁寧に磨くことを意識してみてください。
マウスピース矯正
マウスピース矯正をしている人は、マウスピースを取り外してから歯磨きをします。
歯磨きの方法は基本的に通常の歯磨きと同じです。歯ブラシの毛先を斜め45度にしてから歯に当て、細かい動きで小刻みに磨きます。歯の裏、奥歯なども毛先をしっかり当てましょう。
フロスや歯間ブラシ、タフトブラシの利用も通常通りで問題ありません。アタッチメントの周辺は汚れが溜まりやすいため、少し意識しながら丁寧に磨くと安心です。
また、マウスピース自体のお手入れも必要です。マウスピース専用の洗浄剤を使い、歯科医院で指導された通りの方法で丁寧に洗って清潔を保ちましょう。
歯列矯正の際には歯科医院でデンタルケアの指導が行われます。その中には効果的な歯磨きの方法もあることがほとんどのため、歯科医院がおすすめする方法で効果的な歯磨きをしてみてください。
歯磨きが不足すると口腔内のトラブルに
歯磨きが足りないまま歯列矯正を進めると、口腔内でトラブルが起きてしまうことがあります。ここでは歯磨きが不足すると起こりやすい、口腔内のトラブルを紹介します。
口臭が強くなってしまう
歯磨きが不足すると口腔内で細菌が繁殖し、口臭が強くなる恐れがあります。
歯磨きは食べ物のかすや汚れを落とすだけではなく、口腔内にひそむ細菌(プラーク)を除去する役割も果たしています。
歯磨きが不十分だと、除去し切れなかった菌が口腔内で繁殖して嫌なニオイを発生させる原因になるため注意しましょう。
体質や病気によって発生する口臭は仕方のないものですが、歯磨き不足による口臭は改善が可能です。
口臭を防ぎ、お口の中をきれいな状態に保つためにも歯列矯正中からしっかりと歯磨きをしておきましょう。
歯磨きに気をつけるとともに、舌苔の除去も口臭対策になります。また、口臭が心配になる場合には歯科医院で相談して、口腔内のクリーニングをすることもおすすめです。
むし歯や歯周病になりやすい
歯列矯正中の歯磨きの不足は、むし歯や歯周病のように治療が必要なトラブルを発生させてしまう可能性が高くなります。
歯列矯正中にむし歯や歯周病にかかると治るまで治療が必要になり、場合によっては歯列矯正治療の計画が変更になることもあります。
例えばワイヤー矯正でむし歯になった場合、むし歯の場所や深度、治療の方法によってはワイヤーが邪魔になり、治療前に取り外し、治療後に再度装着する必要が生じます。
マウスピースは外して治療ができますが、歯の形や噛み合わせが変わってしまうケースもあり、その際にはマウスピースを作り直すことになります。
どちらも歯列矯正を順調に進めにくくなる原因になるため、スムーズな歯列矯正を希望するのであれば、むし歯や歯周病を防げるよう、十分な歯磨きを心がけましょう。
歯の色が悪くなる
歯磨きの不足は着色汚れが落ちにくくなり、歯の色が悪くなってしまう原因でもあります。
食べ物や飲み物の色が歯に定着すると白さが失われ、見た目の印象が悪くなってしまいます。
歯の色は歯並びと同様に、口元の印象を左右する要素です。
笑顔になった時に着色汚れで曇っている歯が見えるより、輝くような白さの歯が見えたほうが、第三者に好印象を与えるでしょう。
着色汚れを防ぐためには、何よりも小まめな歯磨きが大切です。食後や間食後の歯磨きはもちろん、色の濃い飲み物を飲んだ時にもサッと磨き上げ、着色汚れを防ぎましょう。
どうしても歯が磨けない時は?
しっかりと歯磨きをする時間を取りにくければ、マウスウォッシュやキシリトール製品、歯間ブラシなどの活用がおすすめです。
歯列矯正中は食後や間食後の歯磨きが必須ですが、外出先であったり、職場の事情があったりなど、必ずしも完璧にできるわけではありません。
そんな時には歯磨き不足をカバーするアイテムを取り入れ、歯を清潔な状態に近づけるようにすると安心です。
| マウスウォッシュ | むし歯菌の殺菌作用があるタイプなど、効果を見て選ぶ |
|---|---|
| キシリトール製品(キシリトール100%のもの) |
矯正装置に貼り付きにくいタブレットタイプを舐め溶かすと効果的 ※砂糖入りタイプはむし歯のリスクが上がるため、キシリトール100%の製品を選ぶ |
| 歯間ブラシ | 歯の間に詰まったものだけでも手早く取りたい時に便利 |
歯磨きができない場合はこのようなアイテムでカバーしながら、改めて時間ができた時や帰宅した時のタイミングでしっかり磨き直しましょう。
そろえておくと便利な歯磨きアイテム
歯列矯正中は歯磨きによる口腔内のケアがとても大切です。歯科医師に任せきりにするのではなく、セルフケアも心がけていきましょう。
ここではそろえておくと便利な歯磨きアイテムを紹介します。
歯ブラシ
歯ブラシがなければ歯磨きは始まりません。普通の歯ブラシや矯正用歯ブラシ、歯間ブラシ、タフトブラシ、電動歯ブラシなどを活用して、歯も矯正装置もきれいに磨き上げましょう。
| 一般的な歯ブラシ | 通常の歯磨きで使う歯ブラシ。歯科医院で勧められる製品を買うのもよい |
|---|---|
| 矯正用歯ブラシ | 矯正装置を傷めずに磨ける。山型カット、2列型、U字型など場所ごとに使い分けられる |
| 歯間ブラシ | 細い針金とナイロン糸で、歯と歯の間に詰まった汚れを除去できる |
| 電動歯ブラシ | 手で磨くより効率よく汚れが落とせる |
歯科医院では歯科医師が患者様に勧めたい歯ブラシを置いていることも多いため、迷った時には相談してみるのもおすすめです。
マウスウォッシュ、デンタルリンス
マウスウォッシュやデンタルリンスは手軽に使えるだけではなく、むし歯や歯周病予防に効果があるため、歯磨きが不足しそうな時や口腔内の状態が気になった時に活用してみてください。
どちらも口腔内のすみずみまで成分を行き渡らせると効果が高まります。口に入れたあとにブクブクと軽くうがいをするように口を動かしてみましょう。
行き渡らせたあと、マウスウォッシュはそのままで構いません。
デンタルリンスはいわば液体歯磨きであり、行き渡らせたあとは歯ブラシでしっかり磨く必要があります。
ただしデンタルリンスはうがい不要で歯磨きを終えられるため、外出時にうがいが難しい場所でもサッと歯をきれいにできるメリットがあり、持ち歩きにもおすすめです。
フロス
細いナイロン糸でできているフロスは、歯ブラシが入らない歯と歯ぐきの境目や歯と歯の間のごみを除去するアイテムで、プラークが溜まりにくくなる効果もあります。
糸状のフロスならワイヤーと歯の間にも入れられるため、ワイヤー矯正で歯の間の掃除がしにくいと思っていた人にもおすすめです。
ただし、強い力で動かしたり歯ぐきの深くまで入れすぎたりすると、歯や歯ぐきを傷付けることがあるため、使う時には優しい力で丁寧に動かしましょう。
歯間洗浄機
最近は歯間洗浄機(ジェットウォッシャー)を使い、汚れを水流で流す方法も注目されています。外出時や職場にも置きやすい、小型の携帯タイプもあります。
歯磨きだけでは落とせなかった汚れも水流で安全に流しやすいため、仕上げ磨きのように使うのもおすすめです。どうしても汚れが残りやすいブラケット周辺などのケアにも効果を発揮します。
定期検診でのチェックも積極的に
定期検診では歯や装置の状態のほか、歯磨きの指導も受けられるため、効果的な歯磨きができているかどうかチェックしてもらい、必要であれば改善方法を聞きましょう。
そのためには定期検診をおすすめします。
もともと歯列矯正中は定期的な通院が必要ですが、それとは別に定期検診を受け、歯磨きをチェックしてもらえば、行くたびに初心に戻り「きれいに磨こう」と改めて意識しやすくなります。
まとめ
歯列矯正中は装置をつけているため歯磨きが難しく、通常の歯磨きだけでは口腔内にトラブルが起きてしまうことがあります。
矯正装置に合わせた磨き方でむし歯や歯周病を防ぎ、歯列矯正を順調に進めていきましょう。
歯間ブラシやフロスなど、すみずみまで歯磨きできるサポートアイテムの導入もおすすめです。外出時で歯磨きができない時にはマウスウォッシュやデンタルリンスを活用してみてください。
矯正歯科・口腔ケア クリニック知事公館前では歯磨き指導にも力を入れています。歯列矯正中の患者様にとって、歯磨き不足によるむし歯や歯周病はしっかり防ぎたいトラブルです。
歯列矯正中に効果的な歯の磨き方や自宅でできるデンタルケア、便利なサポートアイテムなど、疑問や質問のある方はお気軽に矯正歯科・口腔ケア クリニック知事公館前までお問い合わせください。
記事監修者

矯正歯科・口腔ケアクリニック知事公館前
院長 三木 善樹
経歴
- 1993年 徳島大学歯学部卒業
- 1997年 徳島大学大学院歯学研究科修了
- 1997年 徳島大学歯学部矯正学講座助手
- 2004年 札幌医科大学医学部口腔外科学講座助手
- 2007年 札幌医科大学医学部口腔外科学講座助教
- 2022年 矯正歯科・口腔ケアクリニック知事公館前院長
所属学会
- 日本矯正歯科学会・認定医
- 日本口腔外科学会
- 日本顎変形症学会
- 日本口蓋裂学会
- 日本顎関節学会
- 北海道矯正歯科学会
- 日本骨代謝学会
- 歯科臨床研修医指導医
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