ホームホワイトニングとは?仕組みと効果から自宅での正しいやり方まで
ホームホワイトニングは、歯科医院で作ったマウスピースと専用の薬剤を使い、自宅で歯を白くする方法です。「興味はあるけれど、本当に自分で白くなるのか」「どのくらいの期間がかかるのか」と疑問を持っている方は多いのではないでしょうか。結論から言うと、ホームホワイトニングは正しく続ければ効果が出る方法で、しかもオフィスホワイトニングより白さが長持ちしやすいという利点があります。
仕組みを理解しておくと、自分に合った方法かどうかの判断がしやすくなります。
ホームホワイトニングとは自宅で歯を白くする方法
ホームホワイトニングは、歯科医院で受けるオフィスホワイトニングとは異なり、自分のペースで自宅にいながら歯の色を明るくできる施術です。最初に歯科医院で歯型に合ったマウスピースを作り、その後は自宅で専用のホワイトニングジェルを使って進めます。
歯科医院で行うこと、自宅で行うこと
ホームホワイトニングは「完全に自己流で行うもの」ではありません。最初に歯科医院を受診し、虫歯や歯周病がないかを確認したうえで、自分の歯列にぴったり合ったカスタムメイドのマウスピースを作製します。薬剤の使い方や装着時間の説明も歯科医師から受けます。
自宅で行うのは、そのマウスピースに薬剤を入れて装着する工程です。薬剤の選定と口腔内の診断は歯科医師が担い、日々の施術を自宅で行うという分業が、ホームホワイトニングの基本的な形です。市販のホワイトニング歯磨き粉やサロンのセルフホワイトニングとは、使用できる薬剤の種類と濃度が根本的に異なります。
ホームホワイトニングが選ばれる理由
ホームホワイトニングを選ぶ方に共通しているのは、「自分のスケジュールに合わせて進めたい」「白さを長く維持したい」という2つのニーズです。
仕事や家事で通院の時間が取りにくい方でも、1日数時間のマウスピース装着なら無理なく続けられます。
また、ホームホワイトニングは低濃度の薬剤を毎日少しずつ浸透させるため、歯の内部までしっかり漂白でき、白さの持続期間が6ヶ月〜1年程度と長いのが特徴です。「一度白くしたらなるべく長くキープしたい」と考える方にとっては、コストパフォーマンスの面でも合理的な選択肢になります。
ホームホワイトニングで歯が白くなる仕組み
ホームホワイトニングの漂白力は、使う薬剤の成分と「低濃度で時間をかける」という設計の両方から生まれています。
過酸化尿素が歯の着色を分解する
ホームホワイトニングで使われる主な有効成分は、過酸化尿素(カルバミドペルオキシド)です。日本で厚生労働省の承認を受けているホームホワイトニング材は、10%過酸化尿素が主流です。
過酸化尿素は口の中でゆっくりと分解され、尿素と過酸化水素に変わります。この過酸化水素がさらに分解されるときにフリーラジカル(活性酸素)が発生し、歯のエナメル質に浸透して着色の原因となる有機物を分解します。漂白成分が歯の内部まで浸透して着色を分解するため、表面だけを磨く歯磨き粉とは根本的にメカニズムが異なります。
なぜ低濃度で時間をかけるのか
オフィスホワイトニングが高濃度の過酸化水素を使って短時間で漂白するのに対し、ホームホワイトニングは低濃度の薬剤を1日数時間、2週間〜1ヶ月ほどかけて浸透させます。
濃度が低い分、1回あたりの変化はおだやかです。しかし毎日繰り返し薬剤を浸透させることで、エナメル質の表面だけでなく象牙質に近い深い層の着色まで分解が進みます。これがホームホワイトニングで色戻りしにくい理由です。
過酸化尿素は最初の2時間で漂白力の約半分を発揮し、残りをおよそ6〜8時間かけてゆっくり放出します。この性質を利用して、就寝中に装着するタイプの製品もあります。
ホームホワイトニングのやり方と1日の流れ
歯科医院での準備と自宅での毎日の手順に分かれます。始める前に全体の流れを把握しておくと、戸惑いなく進められます。
始める前の準備(歯科医院での工程)
ホームホワイトニングを始めるまでに、歯科医院での来院は2〜3回が一般的です。
1回目の来院では、口腔内の診査とクリーニングを行います。虫歯や歯周病がある場合は、先にそちらの治療を優先します。ホワイトニング薬剤が虫歯の穴や歯茎の炎症部分に触れると、痛みが出る原因になるためです。
2回目の来院で歯の型取りを行い、カスタムメイドのマウスピースを作製します。3回目にマウスピースと薬剤を受け取り、使い方の説明を受けたら、自宅での施術がスタートします。
自宅での毎日の手順
自宅で行う手順はシンプルです。
まず歯をしっかり磨き、マウスピースの内側にホワイトニングジェルを適量入れます。歯1本につき米粒大が目安で、入れすぎると歯茎にジェルがはみ出して刺激の原因になります。ジェルを入れたマウスピースを歯にはめ、所定の時間装着します。
装着時間は製品によって異なりますが、1日1〜2時間が一般的です。就寝中に装着するタイプでは6〜8時間の装着を指示される場合もあります。
装着後はマウスピースを外し、口をすすいでジェルを洗い流します。マウスピースは水か歯ブラシでやさしく洗い、ケースに入れて保管します。熱いお湯で洗うと変形するため、必ず常温の水を使ってください。
ホームホワイトニングの効果はいつから出るか
効果の出方と白さの持続期間は、どちらも「低濃度でじっくり浸透させる」というホームホワイトニングの特性に紐づいています。
変化を実感できるまでの目安
ホームホワイトニングは即日で白くなるタイプの施術ではありません。毎日欠かさず装着した場合、早い方で2週間、一般的には1ヶ月程度で歯の色の変化を実感できます。 目標とする白さに到達するまでは、製品や歯の状態によって2週間〜2ヶ月ほど幅があります。
「2週間たっても全然変わらない」と感じる方もいますが、歯の色は毎日少しずつ変化するため、日々の変化は目で捉えにくいのが実情です。施術前の歯の写真をスマートフォンで撮っておくと、比較したときに変化を実感しやすくなります。
白さはどのくらい持続するか
ホームホワイトニングで得た白さの持続期間は、個人の食生活や口腔ケアの習慣によって変わりますが、一般的に6ヶ月〜1年程度は白さを維持できます。 これはオフィスホワイトニング(3〜6ヶ月程度)に比べて長い傾向があります。
白さが長持ちする理由は、先述のとおり低濃度の薬剤を毎日浸透させることで歯の深い層まで漂白が行き届くためです。色戻りが気になり始めた段階で、マウスピースに薬剤を入れて数日間追加施術(タッチアップ)を行えば、再び白さを回復できます。マウスピースは一度作れば繰り返し使えるため、タッチアップの際は薬剤の追加購入のみで済みます。
ホームホワイトニングとオフィスホワイトニングの違い
自分に合った方法を選ぶために、それぞれの特徴を整理します。
| 比較項目 | ホームホワイトニング | オフィスホワイトニング |
|---|---|---|
| 施術場所 | 自宅(マウスピース装着) | 歯科医院 |
| 使用薬剤 | 過酸化尿素10%が主流 | 過酸化水素(高濃度)にライト照射 |
| 1回の所要時間 | 1〜2時間(自宅で装着) | 約30分〜1時間(医院で施術) |
| 効果を実感するまで | 2週間〜1ヶ月程度 | 1回の施術で変化を感じやすい |
| 白さの持続期間 | 6ヶ月〜1年程度 | 3〜6ヶ月程度 |
| 費用の目安 | 20,000〜40,000円程度 | 20,000〜50,000円程度 |
| 向いている方 | 自分のペースで進めたい方、白さを長く維持したい方 | 短期間で白くしたい方、自己管理が苦手な方 |
両方を組み合わせるデュアルホワイトニング
オフィスホワイトニングの即効性とホームホワイトニングの持続性、両方のメリットを得られるのがデュアルホワイトニングです。まず歯科医院でオフィスホワイトニングを受けて一気にベースの白さを上げ、その後自宅でホームホワイトニングを続けて白さを深く、長く定着させます。
デュアルホワイトニングは即効性と持続性を両立でき、白さの持続期間は1〜2年程度です。費用は50,000〜80,000円程度が目安で、単独で行うよりも総額は高くなりますが、効率よく理想の白さに近づけたい方には有力な選択肢です。
ポリリンホワイトニングという選択肢
オフィスホワイトニングの中には、ポリリン酸ナトリウムを過酸化水素と組み合わせたポリリンホワイトニングという方法もあります。ポリリン酸は体内にもともと存在する生体成分で、歯の表面の着色汚れを浮かせて除去しながら、エナメル質の再石灰化を促す働きがあります。
ポリリンホワイトニングの特徴は、施術中の痛みが少なく、施術直後から食事制限がないことです。ポリリン酸が歯の表面をコーティングするため、着色が再付着しにくくなる効果も期待できます。矯正歯科・口腔ケアクリニック知事公館前でもポリリンホワイトニングを取り扱っていますので、「ホームホワイトニングだけでなくオフィスホワイトニングも検討したい」という方はご相談ください。
ホームホワイトニングの費用の目安
費用の内訳と相場
ホームホワイトニングの費用は、大きく分けてマウスピースの作製費用と薬剤の費用の2つで構成されます。
| 費用項目 | 目安 |
|---|---|
| マウスピース作製費 | 10,000〜30,000円程度 |
| 薬剤(7日分) | 5,000〜10,000円程度 |
| 初回トータル | 20,000〜40,000円程度 |
マウスピースは一度作れば繰り返し使えるため、2回目以降は薬剤の追加購入のみで済みます。1回の薬剤購入が5,000〜10,000円程度で、色戻りが気になった段階でタッチアップすればよいので、長期的なメンテナンスコストはオフィスホワイトニングより抑えやすい傾向にあります。
ホワイトニングは自由診療
ホワイトニングは見た目の改善を目的とする施術であり、健康保険は適用されません。費用は全額自己負担の自由診療となるため、クリニックごとに料金体系が異なります。料金に含まれる内容(初回カウンセリング料、クリーニング費用、薬剤の本数など)はクリニックによって異なるため、比較する際は「トータルでいくらかかるか」を確認することが重要です。
ホームホワイトニングで注意すること
安全な施術ではありますが、施術中の体の反応や、効果が出にくいケースについて事前に知っておくと安心です。
知覚過敏が出ることがある
ホームホワイトニング中に最も多い症状は知覚過敏です。冷たいものがしみる、ズキッとした痛みを感じるといった症状が出ることがあります。これは薬剤がエナメル質を通過する際に、象牙質の神経に一時的な刺激が伝わるためです。
知覚過敏の症状は多くの場合1〜2日で治まります。
症状が強い場合は装着時間を短くする、1日おきに使用するなどの調整で対処できます。知覚過敏用の歯磨き粉を併用することで症状が軽減することもありますので、痛みが続く場合は自己判断で無理に続けず、歯科医師に相談してください。
施術期間中の飲食の注意
ホームホワイトニング直後の歯は、表面の保護膜(ペリクル)が一時的に剥がれた状態になっています。この状態で色の濃い飲食物を摂ると、着色が歯に浸透しやすくなります。
マウスピースを外した後、30分〜1時間程度は以下の飲食物を控えるのが望ましいです。
- コーヒー、紅茶、赤ワイン
- カレー、トマトソース
- チョコレート
- 色の濃い調味料(醤油、ソースなど)
飲食制限は施術期間中だけの一時的なもので、ホワイトニングが完了すればペリクルは自然に再形成されます。ただし、着色しやすい飲食物を日常的に多く摂る方は色戻りも早い傾向があるため、白さを維持したい場合は普段の食習慣も意識しておくとよいでしょう。
ホームホワイトニングで白くならないケース
すべての歯がホームホワイトニングで白くなるわけではありません。以下のケースでは効果が出にくい、または効果がありません。
- 詰め物・被せ物(セラミック、レジンなど):人工物は薬剤では漂白できません
- テトラサイクリン系抗生物質による変色:薬剤の影響で歯の内部が変色している場合、ホワイトニングだけでは十分に改善しないことがあります
- 神経を取った歯の変色:歯の内側からの変色はウォーキングブリーチなど別の方法が必要です
ホワイトニングを始める前の診査で、ご自身の歯がホワイトニングに適しているかどうかを歯科医師に確認しておくことが大切です。
ホームホワイトニングに関するよくある質問
ホームホワイトニングは痛いですか?
痛みの感じ方には個人差がありますが、正しい使い方をしていれば強い痛みが出ることはほとんどありません。薬剤が歯茎にはみ出すと刺激を感じることがあるため、ジェルを入れすぎないことがポイントです。知覚過敏の症状が出た場合も、多くは1〜2日で自然に治まります。
市販のホワイトニング歯磨き粉で代用できますか?
市販のホワイトニング歯磨き粉に含まれているのは研磨剤やポリリン酸などで、歯の表面の着色汚れを物理的に落とす効果はありますが、歯そのものの色を漂白する成分(過酸化尿素・過酸化水素)は含まれていません。歯科医院のホームホワイトニングとは漂白のメカニズムが根本的に異なるため、代用にはなりません。
矯正治療中でもホームホワイトニングはできますか?
ワイヤー矯正中はブラケットが歯の表面についているため、マウスピースを装着できずホームホワイトニングは行えません。矯正装置を外した後に開始するのが一般的です。マウスピース矯正の場合は矯正用のマウスピースをホワイトニング用トレーとして兼用できるケースもありますが、担当医との相談が必要です。
ホームホワイトニングの薬剤に使用期限はありますか?
未開封の状態であれば、製品にもよりますが購入から1年程度は使用可能です。ただし高温多湿を避け、冷暗所で保管する必要があります。開封後はなるべく早めに使い切ることをおすすめします。
まとめ
ホームホワイトニングは、歯科医院で作ったマウスピースと専用薬剤を使い、自宅で自分のペースで歯を白くする方法です。低濃度の薬剤を毎日じっくり浸透させるため、効果が出るまでに2週間〜1ヶ月程度かかりますが、その分白さが6ヶ月〜1年と長持ちします。
オフィスホワイトニングの即効性も魅力的ですが、「忙しくて頻繁に通院できない」「白さをなるべく長く維持したい」という方にはホームホワイトニングが向いています。さらに効率を求めるなら、オフィスとホームを組み合わせたデュアルホワイトニングという選択肢もあります。
矯正歯科・口腔ケア クリニック知事公館前では、ホームホワイトニング、ポリリンホワイトニング(オフィス)、デュアルホワイトニングの3つの方法をご用意しています。歯の状態やご希望に合わせて最適な方法をご提案しますので、ホワイトニングをお考えの方はお気軽にご相談ください。
記事監修者

矯正歯科・口腔ケアクリニック知事公館前
院長 三木 善樹
大学病院で培った治療と予防の経験を地域の皆様にお届けしていきたいと考えております。
矯正治療は長い時間をかけて歯並びを整える治療です。治療期間を通じて信頼できるパートナーとして寄り添えるよう、スタッフ一同努めてまいります。
- 経歴
- 1993年 徳島大学歯学部卒業
- 1997年 徳島大学大学院歯学研究科修了
- 1997年 徳島大学歯学部矯正学講座助手
- 2004年 札幌医科大学医学部口腔外科学講座助手
- 2007年 札幌医科大学医学部口腔外科学講座助教
- 2022年 矯正歯科・口腔ケアクリニック知事公館前院長
- 所属学会
- 日本矯正歯科学会・認定医
- 日本口腔外科学会
- 日本顎変形症学会
- 日本口蓋裂学会
- 日本顎関節学会
- 北海道矯正歯科学会
- 日本骨代謝学会
- 歯科臨床研修医指導医
【ホワイトニングに関する重要事項】
ホワイトニングは公的医療保険が適用されない自由診療です。
- 治療内容:専用のマウスピースとホワイトニングジェルを使用し、歯の表面および内部の着色を漂白する施術(ホームホワイトニング)。歯科医院で薬剤と光照射により歯を漂白する施術(オフィスホワイトニング/ポリリンホワイトニング)。両者を併用する施術(デュアルホワイトニング)
- 治療期間・回数:ホームホワイトニングは2週間〜2ヶ月程度(毎日1〜2時間の装着)、オフィスホワイトニングは1〜3回程度の通院。効果の持続や目標の白さにより個人差あり
- 費用の目安:ホームホワイトニング 20,000〜40,000円程度、オフィスホワイトニング 20,000〜50,000円程度、デュアルホワイトニング 50,000〜80,000円程度(税込・クリニックにより異なります)
- リスク・副作用:知覚過敏(冷たいものがしみる)、歯茎の刺激・炎症、色ムラ。症状は一過性で多くの場合1〜2日で治まりますが、症状が続く場合は歯科医師にご相談ください
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住所〒060-0003
北海道札幌市中央区北3条西14丁目2-2
ダイアパレス北3条第2 1F -
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